高齢化進む武里団地/学生さん 歓迎します!

高齢化進む武里団地/学生さん 歓迎します!/家賃、通学費を補助/地域活性化に貢献/延べ29人が居住 卒業後、住み続ける人も/埼玉・春日部市

2015年02月06日 3面


 少子高齢化が進む中、多くの大規模団地で活気が失われつつある。入居者の減少や高齢化に、どう対処すべきか。家賃補助などで学生を積極的に受け入れている埼玉県春日部市内の武里団地(UR都市機構)を、公明党の、ごんもり幸男・埼玉県議(県議選予定候補=同市)とともに訪ねた。

 武里団地でごんもり県議は、住民や学生から率直な意見を聞いた。

 2014年4月から大学の友人と入居している埼玉県立大学4年の西垣絵理さん。「経済的な補助があり、団地の場所と大学も近い。地域の人と交流できるのが魅力」と入居した動機を語った。

 大学までの距離は自転車で約10分。普段は講義やアルバイトに励み、毎月1~2回は学生だけで集まり、どんな地域貢献ができるかを話し合う。

 「団地と聞いて“古い”というイメージがあったが、実際に住んでみると女性でも納得できる住み心地。普段から近隣の人と交流しているので、大学院に進学するため団地を出てしまうのは、さみしい」。西垣さんは団地生活での充実感をにじませた。

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 管理開始から49年。同団地にはピーク時、約2万人が居住し、「東洋一のマンモス団地」と呼ばれた。2015年1月1日現在、入居者は9365人まで減少し、65歳以上の割合が42・4%。市内にある団地の中でも高齢化率が極めて高い。

 そこで市は、同団地の、にぎわいと魅力を創り出そうと、周辺の大学に通う学生を団地に受け入れる事業を検討。共栄大、日本工業大、埼玉県立大の3大学、武里団地自治会協議会(石塚凱祥会長)などと協議を重ね、2011年度から「官学連携団地活性化推進事業」を始めた。

 この事業では、地域貢献活動、2人以上での共同居住(ルーム・シェアリング)などを条件に、家賃と通学費(電車賃のみ対象)の2分の1を補助している。例えば、団地内の3DKの部屋の平均的な家賃約5万円に対して、約2万5000円が助成される。入居の申し込み、家賃の振り込み、通学費の受け取りなどは、各大学が窓口となる。

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 地域貢献活動としては、学生が企画した「隣人祭り」「一万人のキャンドルナイト」や、自治会協議会などが主催する「ふれあい喫茶」「体育祭」への参加など多岐にわたる。イベントの準備で重い荷物を運ぶ際は若い学生の力が不可欠だ。

 2014年度、3大学14人(男性12人、女性2人)の学生が団地に居住している。これまで延べ29人が居住。今年3月に大学を卒業する学生の1人は、社会人になっても団地に入居を続ける予定だ。

 石塚会長は「団地の住民の高齢化が深刻。全体から見れば学生は少ないが、団地の活動を支えてくれている。団地の住民と学生がより円滑に、一体的に交流が進むよう、もっと工夫したい」と話していた。

 これまでの取り組みが実を結び、世代を超えた交流が増え、にぎわいが戻る兆しが見えつつある。「同団地の敷地内に新たな商業施設が建ったり、病院開業の予定もある」(市総合政策部政策課・森田貴実香主査)という。

 視察を終えた、ごんもり県議は「学生をはじめ若者の力を地域活性化に生かす取り組みをしっかり後押ししていきたい」と語った。

 党春日部市議団の武幹也議員は2009年12月定例会で、同市と包括的連携協定を結んでいる大学の学生を対象に市内への居住などを推進し、街づくりや街おこしなどに参画してもらうことを提唱していた。

 『全国 世帯主の50・2%が70歳以上』

 団地は、日本の少子高齢社会の“縮図”となった観がある。全国231カ所の団地を対象にした「団地の生活と住まいアンケート」(全国公団住宅自治会協議会、14年9月実施)によると、世帯主の50.2%が70歳以上と、全国的に高齢化が進んでいる。

 団地に入居していた家族の子ども世代の転出や持ち家志向の高まり、新たな入居者の減少などが背景にある。

 また、同調査によると、「公団賃貸住宅に長く住み続けたい」と全体の7割の人が考えている一方で、高齢者世帯が多いため、家賃負担を「重い」と感じている人も7割いる。

 こうしたことから将来的に「家賃が払えなくなること」や「公団住宅の民営化」に不安を抱いている入居者も少なくない。