知的障がい者を県が雇用

「給料もらえるのがうれしい」/知的障がい者を県が雇用/働きながら学び、一般就労へ/公明が推進/埼玉県

2014年08月01日 7面


 埼玉県教育委員会では今年度から、障がい者の雇用促進のため、特別支援学校を卒業した知的障がい者を直接雇用し、一般就労をめざすモデル事業(チームぴかぴか事業)を実施している。担当者によると、県教委がこうした事業を行うのは全国でも初めてという。推進してきた公明党埼玉県議団(西山淳次団長)がこのほど、県庁内で「チームぴかぴか」のメンバー(知的障がい者)と懇談し、仕事の様子を視察した。

 チームぴかぴかのメンバーが作業する部屋のホワイトボードには、きょうの仕事とその担当者が午前、午後に分けて書かれている。この日、メンバーは不要書類のシュレッダーやアンケート集計の入力、上田清司県知事の名刺作成、ポスター折りなどの仕事に熱心に取り組んでいた。

 「仕事はどうですか」と公明県議が聞くと、「大変だけど頑張ってやっています」と元気な声が返ってきた。懇談で、「仕事をしてうれしかったことは何ですか」との問いに、メンバーの多くが「自分で働いて、給料をもらえるのがうれしい」と笑顔で答えていた。

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 一般就労を希望する県内特別支援学校の高等部生徒は約4割。そのうち2013年度に就労できたのは74・1%にとどまっている。また、県教委の障がい者雇用率は1・76%(13年6月1日現在)で法定雇用率(2・2%)を下回っている。

 こうしたことから県教委は、働きながら学ぶ仕組みづくりの構築に向け、今回の事業を開始。具体的には、一般就労を希望したが、実現できなかった生徒を1年間雇用し、職業訓練しながら一般就労をめざしている。担当者によると、目標は特別支援学校の卒業生90%の一般就労実現と法定雇用率の早期達成だという。

 今年度、非常勤職員として雇用された知的障がい者は12人。担当職員2人と支援員4人のもと、月~木曜日の午前9時から午後3時まで、県庁内での事務作業や公園の清掃、民間企業でのスキルアップ研修などを行っている。

 支援員の一人は「一人一人できないことが違うので、支援員同士が連携を取りながら、メンバーのできることを増やすように努力している」と話し、県特別支援教育課の宇田川和久課長は「生徒が増えているので、雇用する場を県が確保して、一般就労できるように全力で支援していきたい」と語る。

 視察後、西山団長は一生懸命に仕事をする姿に感銘したとして、「12人の一般就労をはじめ、特別支援学校の高等部生徒が就職できるよう全力で応援していく」と決意を語った。

 障がい者の雇用促進について党県議団は、予算要望を通じて求めてきたほか、西山県議や蒲生徳明県議が議会で取り上げ、推進してきた。また、07年9月定例会では石渡豊県議が、県庁において知的障がい者の正規雇用やインターンシップの実施を提案していた。